立華リンド(cv:羽多野渉)
見た目 ★★★☆☆☆
性格 ★★★☆☆☆
声 ★★★☆☆☆
糖度 ★★★★☆☆
シナリオ ★★★★★☆
これまたきつかったです。
シキとはまた別の闇が味わえます。
超ド級の愛がお好み方、リンドをどうぞ。
リンドルートをやるにあたって私的にネックだったもの。それは恋愛していく二人が兄妹だということです。近親には興味が持てないんですよ。だから恋愛過程に納得できないと楽しめないかもって思ってたんですが、さほど心配はいりませんでした。
リンド→リツカについてはネタバレするので省きますが、リツカがリンドに恋心を芽生えさせていく流れは自然で、ダンスシーンで言われたセリフには不覚にもぐらっときました。焦らしてからのあの一言はうまいなぁと思います。
しかし、リンドの想いが深すぎて戦慄するシーンがちらほらありますので、ヤンデレが苦手だとしんどいかもしれません。愛されてはいるんだけどね…。
私はリンドの、普通に見えて普通じゃないところに恐怖を覚えました。
それと思ったのが、
この兄貴、メンタル弱い。
おまけに、兄妹そっくり!(滝汗)
この兄妹、相手に心配をかけまいとひとりで抱え込むところがそっくりです。
きわどい橋を渡っているリンド。リツカが上手に手を引いてあげられればいいんですが、二人とも他人を頼ること、支え合うことに不器用でうまくいきません。
近しいからこそ良くも悪くも影響し合ってしまう。周囲のフォローがないと途端に仲良くバッドエンドへ向かっていってしまうのがやるせません。
その脆さゆえか、リンドもハッピーエンドだと思える結末はひとつだけです。
アクマルート、怖いです。
以下ネタバレ注意!!
ヒトかアクマか。
協会から脱出した時のリンドの精神状態で左右されてしまうのが、本当に博打的。
リンドが必要以上に疑心暗鬼になっているとリツカも恐怖してしまいアクマルートへ。
リンドの心にまだ余裕がある状態ならリツカが怖がらないのでヒトルートへ。
そりゃアクマルートでのリンドに告白されたって、リツカ的には受け入れられませんよね。あの状況で兄としてではなくひとりの男として見てしまったら、とたんに逃げ出したくなる不可解さでしたよ。
でも、アズナは殺され、協会にも裏切られ、アクマもヴァンパイアも敵で己でさえも信用できない。人間として生きていたいのにヴァンパイアの力を使ってしまう。
リンドの追い詰められ感は相当やばいです。
リツカへの告白は、ありのままの自分を見て欲しい、そして受け入れて(愛して)欲しい、そんな唯一の救いを求める手だったんだと思います。それが叶わなかったために歪んでしまった、やりきれないルートです。
ヒトルートでは協会への憎しみや絶望感が抑えられていて、武器も聖水や聖氷を使うあたりとにかくヒトとして生きたいっていうリンドの強い意思が感じられました。
その逃亡時の精神状態の差は一体なんなのかわかりませんが、リンドが冷静なおかげでリツカも告白を素直に受け止めることができていました。
アズナとの再会、レムとの一時休戦、面白いくらいリンドの心が救われていって、やっぱりリツカだけではリンドはどうにもならないなとしみじみ思いました。
ヒト2の結末を見る限り逆もまたしかりで、この兄妹は二人きりにしてしまうと互いを支えきれないようです。
では、エンディング別感想です。
<アクマ1>
「いつか衝動に呑み込まれてしまったら、その時は滅ぼしてくれ。」
いつかリンドがリツカに言った願いです。
リンドはヒトとしていたかったはず。理性を保ったままこの道を選んだのだとしても、心から望んでいた結末じゃないはず。ハッピーエンドとは思えません。
「どんな兄さんでも兄さんで、傍にいてほしい。一緒にいて。離れ離れなんて考えられないよ。」こんな風になってしまうずっと前。優しかった頃の兄に告げたリツカのこれらの言葉が、後からこんな形で響くことになるなんて知る由もない…。
<アクマ2>
壊れながらも、ヒトとしての理性を取り戻したリンド。
みんないなくなってしまうのは辛いですが、ヒト1の次に救われたエンドなんじゃないかと思います。
<ヒト2>
リツカまさかの自害。
そして狂ったリンド…。遺体を持ち帰ってそうで余計に恐ろしいです。
<ヒト1>
「闇に纏える者よ、我が声に平伏せ。いかなる闇に隠れようとも!!」
アズナ~!!!!!!!ヽ(;▽;)ノ
アズナとレムの共闘、無事生き残ってくれて本当によかったです。
というかレム様たち、アクマルートでも助けてくれてたんですよね。
アズナは恐らくダメだったんでしょうけど、でもその事実や真意に気付かずひたすら敵だと思い込んでいたのは悲しいというか悔しいです。
そして、ダンピールのリンドを受け入れたリツカ。
「ヴァンパイアになったってリンドは、リンドだから。何もかも分からなくなって血が欲しくなったってーー私が絶対、リンドを受け止めるから。だからひとりで抱え込まないで。」
これは相当救われたと思います。
リンドは愛されたいというよりも、ヒトでもありヴァンパイアでもある自分を見て、受け入れて欲しかった。
実の母親にさえ忘れられてしまった己の存在を、リンドは確立したかった。
「ダンピールでも、ヒトでも、ヴァンパイアでも関係ない。俺は…俺だ。」
吸血衝動を抑え込み、あのリンドがリツカに協力を仰ぐ。互いを信じ、頼ります。
エクソシストとしての力、ヴァンパイアとしての力、すべて使ってネスタを倒すことができました。爽快で、かっこよかったです。
リンドもシキに負けず劣らずな病み具合でした。でもちゃんと個性があって、同じようなヤンデレ、展開にならないところがすごいなと思います。
あとよかったのは、スチルが全部きれいだったこと。メィジルートの絵崩れはなんなんだろうか。
さて残すところあとレムとローエンのみとなりました。
レムをやって、ローエンを最後にしたいと思います。